さまざまな人種の
モデルをスタイリング
- NYFWのバックステージ体験、おつかれさまでした!当日の様子をお聞かせください。
- 杉川 コレクション当日はWELLA のグローバルトップアーティストであるオーブリーさんと会場入りし、バックステージ体験をしました。スケジュールがギリギリに決まったので緊張感はありましたが、ヘアデザインのデモンストレーションが前日にあったので、スタイリングをすること自体には安心感がありました。
モデルさんはいろんな人種のモデルさんを数名担当しました。髪質が人によってまったく違うためカールの具合を統一するのに苦労しました。スタイルは、ブローで髪質をコントロールしながらカールをつけ、足りなければアイロンで巻き直し、シングルピンでカールを固定したら一旦メイクにバトンタッチ。そのあと出番近くで逆毛を根元に立ててボリュームアップするロングヘアをつくりました。
- 国内のバックステージとの違いは?
- 杉川 神戸コレクションのバックステージに参加したことがあるのですが、バックヤードの流れや雰囲気はほぼ同じでした。あちらのスタッフはみな優しくて、愛想が良かったですね。言葉が通じたらより理解し合えたと思います。海外で仕事をする場合、英語力は絶対ですね。さまざまな人種の方がいて、NYという場所柄ブランドも多様性を考慮したアプローチをしているんだなと感心しました。
- 今回、もっとも印象に残ったことは?
- 杉川 バックステージ体験はすべて刺激的でしたが、実はいちばん感銘を受けたのが、現地でお世話になったオーブリーさんのお人柄です。もう、めちゃくちゃハッピーな方で。どんなに忙しい状況でも周りに気を配って、常に笑顔だったのが印象的でした。
世界トップのスタイリストなのにとても気さくで、若いスタイリストにもフランクに接してらっしゃいました。その姿を見て、スタイリストとしてもですが、サロンを経営する身としても、とても勉強になりました。
海外はブローの技術が高い
- 日本との違いや、
難しいと感じたことはありますか? - 杉川 海外のスタイリストはブローが上手いと感じました。私どものサロンでは、お客様の再現性を重視しているため、ハンドブローで仕上がるカットを研究してブローを重視していませんが、さまざまな国籍、髪質に対応することになる海外のヘアメイクの仕事ではブローの技術を磨かないと話にならないなと思いました。
- NYの印象は?
- 杉川 NYはアートや最先端の建物も多く、身近に美しいものを感じられるので、何回来ても楽しいです。ただ道を歩くだけで刺激がある街ですね。さらに今回はNYFWに参加したことで、NYの人がファッションに対して自由で、かつポリシーを持っていることが分かりました。そんなNYに一緒に頑張ってくれたアシスタントやモデルさんも連れて来ることができて本当に良かったです。
- NYでの体験を経て
- 杉川 普段の生活では絶対に経験できない世界を見たことで、確実に視野は広がったと思います。そこは今後、変化になって現れるといいですね。今回の体験で学んだ世界トップのテクニックや、あの場でしか味わえない緊張感や喜び、ベストを尽くした情熱を忘れず、日々のサロンワークに活かしていこうと思います。